ムエタイのシャム・アオム・ノイ体重制(140ポンド)王座をかけた一戦で、挑戦者のプルアットノイが試合後に急性腎不全の危機に陥った。陣営は「試合前に薬物を盛られた」と告発し、タイのムエタイ界に波紋が広がった。
試合の経緯
3月28日、シャム・アオム・ノイスタジアム(バンコク近郊)で行われた140ポンド王座戦でマンモス・ソ・サラチープが2-1の判定で防衛に成功した。しかし試合後、挑戦者のプルアットノイが体調を崩し、病院に搬送された。
陣営のPKセンチャイムエタイのアワターン選手がFacebookに投稿した内容によると、プルアットノイの体調悪化は深刻で「小便が止まらない」「入院した」と伝えた。さらに「薬物を盛られた可能性が極めて高い」と告発文を投稿した。
「薬物盛り」の疑惑
アワターンの投稿では「ギャングが試合を操作するために薬物(ヤー)を使っている」と主張した。「今日(試合翌日)の最新情報によれば、プルアットノイは腎臓の値が高く急性腎不全のリスクがある。本当に怖い状況だ。今日こういう賭けに関連した奴ら、本当に極悪だ」とも書いた。
「賭け試合での薬物使用」はタイのムエタイ界で繰り返し問題視されてきた。試合結果を操作するために選手の食べ物・飲み物に薬を入れるという疑惑は過去にも浮上したことがある。
タイのムエタイと賭博問題
タイではムエタイの試合に対する賭博が非常に盛んだ。スタジアムでは公認の賭け(外国人観光客が見るパフォーマンス的な試合ではなく、タイ人向けのガチ試合)が行われており、多額の金が動く。
この構造の中で、一部の賭けグループが試合結果を操作しようとするという問題が従来から指摘されてきた。選手への薬物投与、審判への圧力などが疑惑として上がることがある。タイのスポーツ当局はムエタイの健全化を進めているが、根絶は難しい。
選手の回復と今後
プルアットノイの容体は病院での治療によって経過を見ていた。急性腎不全は適切な治療で回復できる場合が多いが、発見が遅れると生命の危険もある。今回は搬送が早かったことで一命を取り留めた。
疑惑についての公式調査は要求されていたが、報道時点で当局の正式な捜査開始は確認されていなかった。

