タイの火葬師がガソリンスタンドでディーゼルの購入を断られた。容器への給油は買い占め防止のため拒否されたのだ。火葬師はやむなく遺体を乗せた棺ごとトラックでスタンドに乗り付け、棺を開けて「これは火葬用の燃料だ。買い占めではない」と証明する事態となった。
火葬師は事前に遺族の了承を得たうえで、遺体が入った棺とディーゼル用の容器3つをトラックに積んでスタンドに向かった。スタンドの従業員に棺を開けて遺体を見せ、燃料が火葬に使われることを証明した。最終的に給油は認められた。
この一部始終を撮影した動画がSNSに投稿され、大きな反響を呼んだ。火葬師は動画のなかで「燃料がなければ遺体を火葬できない。遺族を待たせるわけにはいかない」と訴えた。
タイでは燃料危機を受けて、ガソリンスタンドが容器(ポリタンクや缶)への給油を全面的に拒否するケースが相次いでいる。買い占めや転売を防ぐための措置だが、火葬や農業機械など容器での購入が必要な利用者にまで影響が及んでいる。
タイの仏教式葬儀では、火葬に大量のディーゼル燃料を使用する。燃料不足で火葬ができないという事態は、遺族にとって精神的にも深刻な問題だ。燃料危機が日常のあらゆる場面に波及していることを象徴するエピソードといえる。
