タイの反マネーロンダリング委員会(AMLO=ปปง.)が、タンマカーイ寺に関連する14億5,800万バーツの資産差し押さえ手続きを進めている。一方、特別捜査局(DSI)は元住職タンマチャヨー(法名:チャムロン・パープラームアン)に対する刑事捜査を時効完成を理由に打ち切ると発表した。
事件の背景
この案件の発端は2009〜2011年に発覚したクロンチャン信用協同組合の大規模詐欺事件だ。組合員への被害総額は130億バーツを超え、タイ最大規模の宗教・金融スキャンダルのひとつとなった。
DSIの調査により、被害金額の一部14億5,800万バーツがタンマチャヨー元住職と関連人物に不正移転されていたことが判明。他の4名の被告については最高裁で有罪判決が確定しているが、タンマチャヨー元住職は逃亡を続け、インターポールを通じた国際手配(赤手配)が出されている。
刑事捜査打ち切りの理由は時効だ。犯行時期が2009〜2011年であり、タイの刑事時効(重罪は最大15年)が満了したとDSIは判断した。民事・行政的な財産回収手続きは別途継続される。
AMLOによる差し押さえの意味
タンマカーイ寺は既に14億5,800万バーツを信用協同組合に返還済みだが、AMLOは被害者への完全補償を確保するため、引き続き資産の差し押さえ手続きを維持している。
タンマカーイ寺の背景
タンマカーイ寺(วัดพระธรรมกาย)はバンコク北部パトゥムターニー県に本拠を置くタイ最大級の仏教寺院だ。巨大なUFO型の本堂と大規模な法事で知られ、信者数は国内外に数十万人に上る。2017年には当局がタンマチャヨー元住職の逮捕に向けて大規模な捜索を行ったが、身柄確保には至らなかった。行方は今も不明のままだ。
