PTTグループは国内燃料危機への対応として、傘下の製油所を通常の生産能力の105%で稼働させていると発表した。同時に石油製品の輸出を削減して在庫を国内市場に集中供給する24時間体制を敷いており、国内の燃料不足緩和に全力を挙げている。
105%稼働の意味
製油所の稼働率を定格(100%)を超えて運用するのは、通常は避けられる。設備への負荷が増し、メンテナンス周期が短くなるリスクがあるためだ。今回PTTが105%稼働を決断したのは、2026年3月以降の燃料危機がそれほど深刻だったことを示している。
PTTはタイ最大の国営エネルギー企業で、タイ石油(Thai Oil)・アイロック(IRPC)など主要な製油所を傘下に持つ。これらの製油所の生産能力は1日あたり合計で数十万バレル規模だ。
輸出削減と在庫の国内転換
PTTはこれまで定期的に石油製品を輸出していたが、危機対応として輸出を大幅に削減し、その分を国内市場に振り向けた。非常用の石油備蓄も放出し、ガソリンスタンドへの供給を増やした。
24時間体制の供給管理も導入し、各地のガソリンスタンドへの配送が滞らないよう調整している。
燃料危機の背景
中東情勢の悪化を受けて、ペルシャ湾からの原油供給が不安定となった。タイはエネルギー消費の大半を輸入原油に依存しており、国際原油価格の急騰と供給不安が同時に直撃した。ディーゼル1リットルが33バーツを超えた時点でパニック的な需要増加が起き、全国的なガソリンスタンドの混雑と品薄状態が発生した。
PTTの透明性アピール
PTTは今回の措置を「公正で透明性ある管理の下で実施している」と説明し、国内の燃料供給に問題はないと強調した。政府と連携してエネルギー安全保障を確保するとのメッセージを出し、国民の不安払拭を図った。