Thailog

タイの最新ニュースを日本語で

パンガー県でガソリンスタンドがほぼ全閉鎖、住民が「燃料代がない」と車を売りに出す

パンガー県ではガソリンスタンドのほぼ全てが閉鎖され、住民が「燃料代がない」と手書きの看板を付けて車をスタンド前で売り出す事態に。政府の「供給は足りている」との説明と現場のギャップが浮き彫りになっている。

パンガー県の燃料危機が深刻化している。3月26日、記者が県内の状況を取材したところ、6バーツの値上げにもかかわらず、ほとんどのガソリンスタンドが閉鎖されたままだった。燃料の供給自体が途絶えている。

最も衝撃的なのは、住民がガソリンスタンドの前に車を停め、「ไม่มีเงินเติมน้ำมัน(燃料を入れるお金がない)」と手書きの看板を付けて売り出している光景だ。車を手放してでも生活費を確保しようとする切迫した状況が広がっている。

パンガー県はプーケットの北に隣接し、パンガー湾やシミラン諸島といった観光地を抱える。しかし観光業は燃料不足でボートが出港できず、ツアーのキャンセルが相次いでいる。住民の多くは観光業や漁業に依存しており、燃料がなければ仕事そのものが成り立たない。

県のエネルギー局によると、燃料の配送が滞っている原因は全国的な供給のひっ迫だ。タンクローリーの配車が追いつかず、地方の県には十分な量が届かない。県庁所在地ですら品薄の状態が続いている。

政府は「全国の燃料は足りている」と繰り返すが、パンガーの現実はそれと大きくかけ離れている。中央と地方の温度差が、今回の燃料危機の最大の問題だ。車を売りに出す住民の姿は、危機が生活の根幹を揺るがしている証拠だ。