ランパーン市内ウィチャラウット通りで3月24日午後10時ごろ、14歳の少年がバイクで帰宅中に警察官に追跡されて腕に銃弾を受けた。少年が起こした違反はマフラーの改造、すなわち騒音規制違反という軽微な交通違反だった。
少年の証言によると、ガソリンスタンドで給油を終えて年上の友人と帰宅中に警察に気づいた。バイクのマフラーが改造されていたため逮捕を恐れて速度を上げて逃走した。その直後に銃声が聞こえ、腕に被弾していることに気づいた。少年は停車した後も、警察官にバイクを蹴られて転倒させられたと証言している。
少年は病院に搬送され腕の銃創の治療を受けた。容態は安定した。一方で市民や目撃者から強い批判が相次いだ。マフラー違反という軽微な違反に対して実弾射撃は明らかに過剰であり、公道での発砲は通行する第三者をも危険にさらすという指摘だ。Thaiger Newsなど複数のメディアが報じ、SNSでも批判が広がった。
ランパーン県警のプンパンヤー・ナワトラクンピスット警察署長は「少年たちがエンジンを空ぶかしして挑発的な態度を取った」と説明し、発砲に至る経緯については「調査中」として両者への公平な対応を約束した。発砲した警官の身元は公表されていない。
タイ警察の武器使用規定では、逃走中の被疑者への実弾射撃は「自己または第三者への生命の危険がある場合」に限定されている。マフラー違反での逃走中の少年がこの基準に該当するかは、法的に疑問視される。過去にもタイ各地で警察による過剰射撃の問題が報告されており、未成年への発砲は社会的に強い批判を招きやすい。
タイでは毎年10万人以上の未成年者が交通違反で摘発されている。そのうちの相当数がバイクのマフラー改造や騒音違反だ。軽微な違反の取り締まりに際して実弾を使用する文化を見直す議論が、今回の事件を機に再び浮上している。