サケーオ県アランヤプラテート郡で3月26日、タイ人8人がカンボジア国境を不法越境した容疑で逮捕された。8人はSNSで高収入の仕事に誘われカンボジアに渡ったが、実態はサイバー詐欺拠点での強制労働で、逃げ出したところをタイ側で身柄を確保された。
8人の証言
ブラパー任務部隊のチャイナロン・カシー大佐が率いる部隊が、アランヤプラテート郡の国境付近をさまよっていた8人を拘束した。8人はフェイスブックやラインでの求人広告を見てカンボジアに越境したという。
広告では「月収数万バーツ」「コールセンター業務」などとうたっていたが、実際は国際詐欺グループの拠点で、違法な特殊詐欺の業務を強制されたと証言した。過酷な拘束環境に耐えかねて脱走を試みたが、組織に置き去りにされる形でカンボジア国境付近に放置され、タイ側に戻ったところを逮捕された。
ミャンマーへの拡大から続くカンボジア問題
タイ人や外国人を騙してミャンマー・カンボジアの特殊詐欺拠点へ連れ込む「人身売買型詐欺組織」の問題は2022年ごろから急増した。ミャンマーのミャワディ、カンボジアのシアヌークビルやポイペトなどが拠点として知られている。
タイ政府は2023年以降、カンボジア・ミャンマー両政府と協力して被害者救出と犯罪組織摘発を進めているが、組織の規模は依然として大きい。UNODCの報告では東南アジアのサイバー詐欺拠点で拘束される人数は年間数万人規模に上るとされる。
帰国後の手続き
逮捕された8人は不法越境の容疑で手続きを受けたが、被害者として扱われ、詐欺被害の実態について引き続き聴取を受けた。タイの法律では、詐欺組織に強制的に連れ込まれた被害者は訴追の対象から外すことが原則とされており、8人はその扱いを求めた。
サケーオ県は国境沿いの商業都市アランヤプラテートを抱え、カンボジアとの往来が盛んだ。国境通過者の監視強化が課題となっている。