チョンブリー県ボートーン郡の寺院に、地方行政官と警察が急襲捜査を行った。きっかけは、武装した弟子が寺院内で覚せい剤を使用しているとの通報だ。
捜査の結果、弟子は覚せい剤の使用で現行犯逮捕された。さらに寺院内を捜索したところ、隠された薬物が追加で発見された。事態を受けて、住職自身も薬物関連の容疑で逮捕され、僧籍を剥奪(還俗)された。
仏教寺院は本来、修行と瞑想の場だ。しかしタイでは近年、寺院が薬物の隠し場所や密売の拠点として利用されるケースが報告されている。僧侶の身分が捜査の目を避ける「隠れ蓑」になっていると指摘する声もある。
タイには約4万の寺院があり、僧侶は約20万人。圧倒的多数はまっとうな修行者だが、一部の不祥事が仏教全体への信頼を損なっている。タンマカーイ寺の資金洗浄事件が時効で終結した直後だけに、宗教界のガバナンスに改めて注目が集まっている。
武装した弟子が寺にいるという状況自体が異常だ。地方の小さな寺院では、住職の裁量が事実上の絶対権力となっており、外部の監視が及びにくい。今回の摘発は、そうした閉鎖的な構造にメスを入れた形だ。