チョンブリー県ボートーン郡にある寺院を2026年3月26日、地方行政官と警察が合同で急襲した。発端は「武装した弟子が境内で覚せい剤を使用している」との通報だ。捜査の結果、弟子は現行犯逮捕され、さらに住職も薬物関連容疑で逮捕されて、その場で還俗(僧籍剥奪)となった。
摘発の経緯
The Pattaya Newsによると、通報を受けたボートーン郡の地方行政官が警察と合同チームを組み、令状を取得した上で寺院に踏み込んだ。境内に入ったところ、弟子が薬物を使用している現場を確認し、直ちに逮捕した。
続いて寺院内を詳しく捜索したところ、隠匿された薬物が追加で見つかった。弟子だけでなく住職にも薬物の所持または使用を疑わせる証拠が出たため、住職も逮捕された。住職はその場で「ผ้ากาสาวพัสตร์(黄衣)」を脱ぐよう命じられ、還俗させられた。
タイ仏教界と薬物問題
タイでは近年、寺院が薬物犯罪の隠れ蓑に使われるケースが後を絶たない。僧侶は一般的に尊崇される存在であり、警察でも寺院内の捜索には慎重を要する場面が多かった。しかし薬物問題が深刻化する中、当局は「聖域」を認めない姿勢を強めている。
2024〜2025年にかけて、タイ全国で覚せい剤(ヤーバー)密売・使用に関与した僧侶の逮捕が増加しており、仏教庁(มหาเถรสมาคม)は規律違反の僧侶への迅速な還俗措置を当局と連携して進めている。
武装した弟子という異例性
今回の事件で特異なのは、通報の内容が「武装した弟子」だった点だ。タイの寺院において弟子が武器を携帯することは規則違反であり、本来であれば寺院の周辺に武装者がいること自体が安全上の問題として扱われる。
武装の理由については報道時点で詳細が明らかになっていないが、薬物取引の護衛役として役割を担っていた可能性が考えられる。
チョンブリー県の薬物問題
チョンブリー県はパタヤを含む観光・工業の県で、大規模な工業団地があることで労働者人口が多い。薬物(主に覚せい剤)の需要と流通経路が複数存在し、農村部の寺院が中継地として使われるケースも県内で繰り返し報告されている。