判決を受けたのは2人のカンボジア人記者で、タイ・カンボジア国境付近の軍事関連施設を撮影し、その画像をオンラインで公開した。カンボジア当局はこれを反逆罪(内乱罪)にあたると判断し、一審で禁固14年を言い渡していた。控訴審でもこの刑が維持された。
タイ・カンボジア国境は、歴史的に領土問題を抱えてきた地域だ。プレアビヒア寺院の帰属をめぐる紛争は2011年に武力衝突に発展し、両国関係に深い傷を残した。軍事施設が集中する国境地帯では、写真撮影自体が厳しく制限されている。
写真を投稿しただけで14年の禁固刑という判決は、カンボジアの報道の自由に対する姿勢を示すものだ。国際人権団体はカンボジア政府に対し、メディアへの圧力を繰り返し批判してきた。フン・マネ政権下でも、政権に批判的なジャーナリストへの弾圧が続いているとされる。
タイ側から見ると、この判決は隣国の司法のあり方に関わる問題であると同時に、国境地帯の緊張を浮き彫りにするものだ。タイ・カンボジア国境は現在、経済交流や観光目的での往来が活発な一方で、軍事面での敏感さは変わっていない。
タイ国境を訪れる旅行者にとっても、国境地帯での写真撮影には注意が必要だ。特にカンボジア側では、軍関連施設に限らず、当局が敏感と判断する場所での撮影が問題視されるケースがある。