国民党のナッタチャー議員は3月25日の国会で、燃料不正流通の実態を暴露した。「密輸タンカーが原油を製油所に運び、精製後に高値で国民に販売している」と指摘し、政府の対応を追及した。
国会ではこの日、中東危機の影響に関する緊急動議が審議された。ナッタチャー議員は「一部のガソリンスタンドでは2択しかない。500バーツだけの給油か、ポリタンクに入れるなら会員登録が必要だ」と現場の混乱を描写。「もし政党の会員登録まで求められたら大問題だ」と皮肉を込めた。
「密輸タンカー」の指摘は、燃料不足の原因が単なる国際的な供給途絶ではなく、国内の流通構造にも問題があることを示唆している。製油所が安価に調達した原油を高値で販売し、その利益が消費者に転嫁されているという構図だ。
国会では複数の野党議員が「ファントム(亡霊)」と呼ばれる不透明な利益構造の存在を指摘している。具体的には、石油基金が国民のために使われず、実質的に製油所の利益を補填しているという批判だ。
アヌティン首相は同日「国が困難な中で不正を行う者は許さない」と強い言葉で対応したが、野党が求めているのは首相自身が国会に出席して詳細を説明することだ。燃料危機の背景にある構造的な問題が、政治の場で本格的に議論され始めている。