アヌティン・チャーンウィーラクン首相が2026年4月3日、「ソンクラン(タイの正月)期間中、国民は必ず燃料を確保できる」と発言し、備蓄・転売業者には「厳正な法的措置」で臨むと明言した。
首相発言の背景
中東情勢の悪化でタイのディーゼル価格が急騰し、ガソリンスタンドに長蛇の列ができる事態が続いていた。そのなかで、一部の業者が燃料を大量に買い占めて高値転売するケースが発覚。首相はこうした行為を「国が危機にあるのに自分だけ利益を得ようとする行為だ」と強く非難した。
首相は「こういうことをやる人がいるとは思っていなかった。国全体が困難にあるのに」と述べ、「あまりに不誠実だ」と異例の強い言葉で批判した。
ソンクラン期間の燃料確保
ソンクラン(4月13〜15日)はタイ最大の祝日で、多くの人が帰省や旅行のために大量の燃料を消費する時期だ。例年、ガソリンスタンドには長蛇の列ができ、遠距離移動が集中する。
首相は「全国的に燃料が不足することはない。国民は安心して故郷に帰ってほしい」と呼びかけ、石油公社(PTT)と各精油所が24時間体制で供給を増強していることを強調した。
買い占め取り締まり強化
政府は商務省・エネルギー省・警察を連携させ、全国の燃料流通を監視する体制を強化した。備蓄量が一定規模を超えた業者には罰則を適用し、摘発された業者は懲役・罰金の対象となる。
ソンクラン前の2週間で、全国各地で燃料備蓄業者の摘発事例が相次いだ。チャイナート、サラブリー、サラブリーなど複数の県で逮捕者が出ており、行政罰のみならず刑事告訴に進む事例もあった。
ディーゼル値上がりの状況
3月末のディーゼル1リットル33バーツから、4月にかけてさらに値上がりの懸念があった。首相の「市場原理に任せる」との発言は国民の不満を招いたが、石油基金の財政悪化で補助継続が困難になりつつある現実もある。
タイのディーゼル消費量は年間約200億リットルで、1リットルあたり1バーツの価格差は約200億バーツの家計・産業コストに直結する。