バンコクで2026年3月20〜22日に開催されたフィットネスイベント「HYROX Bangkok 2026」(バンコク国際見本市展示場BITECを会場)で、タイ人女性選手が競技中に熱中症で倒れ、緊急医療処置を受けた。外気温が40度近い3月末のバンコクで、屋外フィールドでの激しい競技が繰り広げられたことへの安全管理への懸念がSNSで拡散した。
HYROXは2017年にドイツ発祥のフィットネスレース競技で、8種目のファンクショナルトレーニング(スキーエルゴ・スレッド押し・バーピーブロードジャンプなど)と8区間のランニング(計8キロ)を組み合わせた「世界基準の体力競技会」だ。バンコク大会は2024年から始まり、2年連続での開催となった。
問題の核心は開催時期と気温だ。バンコクの3月下旬は「最も暑い時期」の入口で、日中の最高気温は39〜42度に達することもある。BITEC会場は一部が屋外または半屋外スペースを使用しており、直射日光下での競技は体感温度をさらに引き上げる。水分補給・冷却ステーション・医療チームの配置は設けられていたが、この日の記録的な暑さには対応しきれなかった可能性がある。
タイ保健省は3〜5月の酷暑期に屋外激しい運動に対する健康警告を毎年発しており、特に直射日光下での活動は午前11時〜午後3時を避けることを推奨している。過去にタイ国内のスポーツ大会でも熱中症による搬送事例が報告されており、大規模アウトドアイベントの気温管理は主催者側の重要な責任だ。
タイのフィットネス市場は2020年代以降急拡大しており、バンコク都内だけで500以上のジムが営業している(タイフィットネス協会推計)。外国人参加者も多く、国際競技会の誘致は観光経済の活性化につながる一方で、熱帯気候への適切な配慮が求められる。