タイの配車アプリ最大手Grabが、原油価格の急騰にもかかわらず料金を値上げしないと表明した。しかしドライバー側の燃料負担は確実に増えており、「誰がコストを吸収するのか」という問題が浮上している。
Grabの方針
Grab Thailandのジャンスダ・タナニタヤウドム社長は3月24日、現時点では料金引き上げを行わないと表明した。同社は「ライダー(ドライバー)と利用者の双方への影響を最小化する方法を探っている」と説明し、4月1日以降に設定していた「特別インセンティブ(燃料補助)」が終了した後の対応策を検討中だとした。
ドライバーの負担
Grabのドライバーは自営業者として登録しており、燃料費は原則として自己負担だ。2026年3月のディーゼル価格の急騰でドライバーの手取りは実質的に減少した。
Grab側は特別インセンティブという形で一時的に燃料補助を行ったが、これは4月1日で終了する予定だった。インセンティブ終了後にドライバーが稼働を減らしたり、アプリを離れる動きが起きるかが注目されていた。
タイの配車アプリ市場
タイではGrabのほか、볼t(Bolt)・Indriver・Maxim などが競合している。バンコクでは特にGrabの普及率が高く、日常的な移動手段として定着している。バイクタクシーのアプリ版「Grab Bike」も人気が高い。
料金が値上がりすれば利用者離れが起きるリスクがある一方、値上げなしではドライバーの生活が苦しくなる。プラットフォームビジネスの課題が燃料危機によって一気に顕在化した形だ。
日本のライドシェア比較
日本では2024年からライドシェアが部分的に解禁されたが、タイと同様にドライバーの燃料・維持費負担のモデルが課題になっている。料金設定の柔軟性がドライバー収入と利用者利便性のバランスを左右する。