Thailog

タイの最新ニュースを日本語で

「Fuel Tourism」燃料危機が普通の人をブローカーに変える新現象

経済出典:Salika2026/03/23 22:00

「Fuel Tourism」燃料を求めて他県のスタンドに遠征する人が急増。中には転売する「燃料ブローカー」も。危機が新たな社会現象を生んでいる。

タイで「Fuel Tourism」と呼ばれる新しい社会現象が生まれている。燃料が豊富にある県のスタンドまで遠方から車で行き、携行缶に詰めて持ち帰る行為だ。中には大量に買い込んで地元で転売する「燃料ブローカー」になる人も出ている。

地方では最寄りのスタンドに燃料がないため、数十キロ離れた県のスタンドまで遠征する人が増えた。往復の燃料代を考えると非合理的に見えるが、農業機械の燃料がなければ生計が立たないため、やむを得ない選択だ。

「Fuel Tourism」という皮肉な呼び名は、観光ではなく燃料を求めて移動する姿を揶揄したものだ。チャイナート県では買い占めた燃料を農家に高値転売した資本家が逮捕されたが、個人レベルの少量転売は取り締まりが追いついていない。

日本では2011年の震災後にも「ガソリン難民」が発生したが、県をまたいで買いに行くケースはまれだった。タイの場合、地方の流通インフラが脆弱で、供給の偏りが大きいことが背景にある。

政府の「Fuel Now」アプリで在庫のあるスタンドを検索できるようになったが、アプリを使えない高齢者や農家はロコミに頼っている。燃料危機は情報格差の問題でもある。