カオソットのコラムニストが「燃料危機の日常生活がコロナ禍に似てきた」と指摘した記事が話題を呼んでいる。2026年3月下旬の状況を描いたもので、行列、物不足、移動制限、人々の不安という共通点がSNSでも賛同の声を集めた。
コロナ禍と燃料危機の類似点
コラムニストはまず、移動の制限という共通点を挙げる。コロナ禍ではロックダウンや外出制限で「動けない」状態が続いた。燃料危機では「行きたくても燃料がなくて動けない」という物理的な制約が生まれた。違いは命令か現実かだが、結果として日常が縮小する体験は似ている。
次に物価の高騰だ。コロナ禍でも食料品や衛生用品が品薄になり価格が急騰した。2026年の燃料危機でも食料品の輸送コスト上昇が物価を押し上げ、市場での食材価格が目に見えて上昇している。
行列文化の復活も挙げられている。コロナ禍では食料配給所やPCR検査センターに長い行列ができた。2026年はガソリンスタンドに朝から行列が並ぶ光景が全国に広がった。コラムニストは「タイ人がまた行列に慣れてしまった」と苦笑混じりに書いた。
観光地への打撃
コラムニストはブリーラム県の例を引く。コロナ前には週末に多くの観光客が訪れたが、燃料危機で「高くて行けない」「燃料が足りない」という理由で観光客が激減しているという。地方経済への打撃という点でもコロナ禍と重なる。
異なる点は何か
「ウイルスへの恐怖」がない点は大きな違いだ。コロナ禍では人と会うこと自体への恐怖があり、心理的な孤立感が強かった。燃料危機ではむしろ「一緒に困っている連帯感」がある場面も見られる。スタンドの行列で見知らぬ人同士が情報交換をする様子がSNSで共有されている。
また解決の見通しが「ある程度」見えている点も異なる。コロナはワクチン開発まで数年かかったが、燃料危機は中東情勢の変化次第で短期間に解消する可能性がある。ただしそれが「いつ」かは誰にも分からない不確実性がある。
タイ社会への長期的影響
コラムニストは最後に「こういう経験を通じてタイ人は少しずつ変わる」と書いた。コロナ禍がデジタル化とデリバリー文化を加速させたように、燃料危機は省エネや国産代替エネルギーへの意識を高めるきっかけになるかもしれないという見立てだ。
タイ政府は2026年の燃料危機を受けて再生可能エネルギーへの投資拡大と、エネルギー備蓄制度の整備を検討している。危機が政策変化を促す「教訓」となるかどうかは今後の対応次第だ。