ナコーンラーチャシーマー県(コラート)シーコーイ郡のある寺院で3月22日、クティ(住職の居室)が火事に見舞われた。消火後に当局が建物内を確認したところ、成人向け書籍とアダルトグッズが発見されたと一部メディアが報道し、「コラートの有名寺院で住職のクティからアダルトグッズ」というニュースがSNSで大拡散した。
運転手の名乗り出
報道から約1日後、寺院の運転手のアン氏(仮名)が「あれは自分のものだ」と公に名乗り出た。「クティに荷物を一時的に置かせてもらっていた。長い間忘れていた。まさか火事になるとは思わなかった」と経緯を説明した。住職への迷惑を詫び「住職はよい方で、今回の件は自分の不注意と不徳のいたすところだ。責任はすべて自分にある」と述べた。
地元の反応:「住職は信仰心の厚い方」
一方で地元住民は「この寺の住職は戒律を守り、地域から尊敬されている方だ」と擁護に回った。地元のFacebookグループには「住職を疑うべきではない」「運転手が認めているのだから話は終わりだ」というコメントが相次いだ。
シーコーイ郡の僧侶組織は事件を受けて調査委員会を設置し、事実関係の確認を続けている。
タイの仏教社会における僧侶スキャンダルの文脈
タイでは仏教寺院と僧侶は社会の道徳的支柱だ。国民の約95%が仏教徒で、寺院は地域コミュニティの核となっている。そのため僧侶に関するスキャンダルはSNSで強い反応を引き起こしやすい。タイ全国に約4万の寺院と約20万人の僧侶がいる中で、少数の問題事例が全体の印象を左右しがちなのも事実だ。今回のケースは運転手の申告があったことで、疑惑の矛先が住職から逸れた形で決着した。