世界大手の仮想通貨取引所KuCoinが2026年、タイ証券取引委員会(SEC)からデジタル資産取引所の正式ライセンスを取得し、タイ国内での運営を開始した。これによりタイで合法的に活動できる仮想通貨取引所がまた一つ増えた。
タイでは仮想通貨の規制整備が東南アジアの中でも先行しており、SECは2018年から暗号資産事業者の登録制度を設けている。認可を受けた取引所はBitkub、Binance TH(旧Gulf Binance)、Zipmex(現在は運営停止)など複数あるが、KuCoinの参入によって競争環境がさらに激しくなる。
KuCoinは2017年設立の香港法人で、現在は世界200以上の国・地域に700種類以上の仮想通貨取引サービスを提供する大手だ。タイ市場では特に若年層や中高所得層の関心が高く、スポット取引だけでなくステーキングや先物取引への需要も見込まれる。
タイの仮想通貨投資家数は2025年末時点で300万人を超えると推計され(SEC年次報告)、人口比では東南アジア上位水準にある。タイバーツに対するビットコインの相関性は比較的高く、国内の個人投資家がインフレヘッジや分散投資として仮想通貨を保有するケースが増えている。
一方で詐欺リスクも深刻だ。2025〜2026年にかけてタイ警察の仮想通貨犯罪取締部は、偽取引所サイトや「フォーキャスト詐欺」による被害を多数摘発している。SECは認可取引所のリストを公式サイトで公開しており、KuCoinが正規ライセンスを持つ事業者として掲載されたことで、一定の安心感をユーザーに提供できる。
日本では金融庁への登録が必須で、KuCoinは現時点で日本での正式サービス提供を行っていない。タイのように規制の枠組みが整備されながらも比較的柔軟な市場は、グローバル取引所にとって参入メリットが大きい。