元財務相でPCT議員のコーン・ジャティカバニット氏が2026年3月23日、「なぜ石油が備蓄倉庫から出てこないのか」と問題提起した。南部のスタンドでは依然として長蛇の列が続いており、数量制限のために整理券を配る状況が続いていた。
コーン議員の問題提起
コーン・ジャティカバニット議員はFacebookページで自身の調査内容を公表した。「今朝、南部のガソリンスタンドに確認したところ、状況は改善していないとの回答だった。列は長く、整理券が配られている。PTTの多くのスタンドでは通常の半分しか供給されていない」と指摘した。
「なぜ石油がまだ倉庫から出てこないのか?」という問いかけは、政府が備蓄はあると主張しながら現場では品不足が続くという矛盾を鋭く指摘したものだ。
問題の構造
タイの燃料供給は大まかに「原油輸入→製油→備蓄倉庫→各地への配送→スタンド」という流れを取る。危機的な状況でも精製・在庫はあるとされていたが、配送インフラのボトルネックがスタンドへの到達を遅らせていた。
燃料運搬トラックの不足、運転手不足(長時間労働と休憩規制)、複数の倉庫が特定地域への配送を優先するなど、複合的な要因が南部での不足につながった可能性がある。また一部の燃料業者が価格上昇を見越して意図的に出荷を遅らせる「買い惜しみ」的な行動も噂されていた。
政府の対応
エネルギー省と商務省は「備蓄は充分にある」と繰り返し強調したが、コーン議員のような野党からの批判は続いた。政府はその後、タンクローリーの輸送ルートと配送スケジュールの最適化、緊急配送命令の強化などの対策を打ち出した。
新設の「経済安全保障情勢センター(ศบก.)」は、石油会社・輸送業者との調整機能を担い、情報の一元管理を図った。
南部での深刻な状況
南部タイは農業(ゴム・パーム油)と漁業が盛んで、ディーゼルへの依存度が高い地域だ。漁船はほぼすべてディーゼルで動き、給油できなければ出漁できない。農業機械も同様で、農繁期と重なった燃料危機は農家の収入直撃につながった。
整理券配布は限られた在庫を公平に分配するための措置だが、運転手は整理券を手に入れるために早朝から並ぶことを強いられた。長時間労働のトラック運転手にとっては、給油のための時間消費が別の負担となった。