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タイ中銀がイラン戦争長期化でGDP成長0.5%を予測 バーツ35も視野

タイ中銀がイラン戦争の長期化で2026年GDP成長率が0.5%に低下する可能性を警告。バーツは開戦後6%下落し、原油130ドル超のシナリオも想定している。

タイ中央銀行(BOT)の企業関係室副総裁チャヤワディー・チャイアナント氏は、イラン戦争が数カ月続いた場合、2026年のタイGDP成長率が0.5%まで落ち込む可能性があると警告した。BOTが2025年12月に示した予測値は1.5%だった。

バーツは2月28日のイラン戦争開戦以降6%下落し、1ドル=32.79バーツとなった。戦争が長期化すれば35バーツまで下落するとの見通しも出ている。日本円に換算すると、1バーツ=約4.3円から約4.0円への変動に相当する。在タイ日本人にとってはバーツ安=日本円での生活費が相対的に安くなる一方、タイ経済全体の減速が雇用や事業に影響する可能性がある。

原油価格についてBOTは3つのシナリオを想定している。紛争が1四半期以内に終結する楽観シナリオでは平均80ドル/バレル。上半期に終結するベースケースで約100ドル。ホルムズ海峡が長期間封鎖される厳しいシナリオでは130ドルを超える可能性がある。

カシコン研究センター主任エコノミストのブリン・アドゥルワッタナー氏は、ベースケースでも上半期の終結後にインフラ破壊の影響が年後半まで続くと分析した。エネルギーコストの上昇、ホルムズ海峡の運航混乱、世界的なサプライチェーンの逼迫、観光セクターへの波及という4つのチャネルでタイ経済を圧迫するとした。

日本のGDP成長率は2025年に1.1%だった。タイが0.5%まで落ち込めば、ASEAN主要国で最低水準となる。2020年のコロナ禍ではタイGDPが-6.1%を記録しており、戦争リスクが同様のショックをもたらす恐れがある。タイ株式市場(SET指数)もすでに年初から12%以上下落しており、投資家の警戒感が強まっている。