タイ東部チョンブリ県のパタヤ市が、ビーチで姿が確認された侵入種「ブラックチンティラピア」の追跡を本格化させている。クリサナ・ブーンサワット副市長は5月18日(月)、関係機関の担当者とともに現場のビーチを視察した。地元紙Pattaya Newsが伝えた。
ブラックチンティラピアはアゴの下に黒い帯模様が走る小型の魚で、タイ語では「プラー・モー・カーンダム(ปลาหมอคางดำ)」と呼ばれている。タイの沿岸部・河口・養殖地ではここ数年、繁殖力の強さと在来魚への圧迫から「やっかいな侵入種」として名前があがり続けてきた。それがついに、観光名所として知られるパタヤビーチの目と鼻の先で見つかった、というのが今回の話だ。
引っかかったのは「観光地のビーチで」という一点だ。これまで養殖場や河口の話題として、サムットサーコーン・サムットソンクラム周辺で深刻化していた問題が、外国人観光客がストロー付きのカクテルを片手に歩くパタヤの砂浜にまで顔を出した。パタヤ市の動きの早さは、生態系の心配と同じくらい、「観光地のイメージへのダメージ」を意識しているように見える。
副市長らによる現場視察では、視察のタイミングでは魚そのものは確認できなかったが、すでに地元の漁師による試験的な操業で稚魚が捕獲されている。市側は、自然の水路への放流をしないよう市民に呼びかけ、漁師には積極的な捕獲を求める方向で監視を続けるという。
侵入種は、定着してから動き出すと駆除のコストが跳ね上がる。日本のブラックバスやアメリカザリガニを思い浮かべるとイメージしやすい。パタヤビーチの稚魚が「数年後に振り返って『あのとき手を打っておいてよかった』」となるのか、「もう取り返しがつかない」となるのか、これからの数か月で見えてきそうだ。