チョンブリ県バンランムン警察署が5月12日、約4か月前の1月19日に発生した金製品窃盗事件で、容疑者タナーゴーン(愛称ルイ・29歳)を逮捕した。盗まれたのはパレット製造工場「パレス材木場」から持ち出された金製品19バーツ(約289グラム、時価約57万バーツ)。動機は「片想いの女性を彼氏から奪うために金の指輪を贈りたかった」というものだった。
指輪のデザインが4か月後に仇となる
ルイ容疑者は盗んだ金を金店で指輪に加工し、本命の女性に贈った。ところが後日その女性が指輪を着けて工場を訪れた際、パレス工場の経営者が「あのデザインは盗まれた自分の金から作られたものだ」と一目で気づき、警察に通報した。
工場には監視カメラがなく、初動では犯人の特定が困難だった。警察は従業員全員への事情聴取を含む地道な捜査を4か月続け、女性を経由してルイを特定。5月12日、チョンブリ県バンランムン郡ノンプラーライ町の貸部屋を急襲して逮捕した。
タイで金は「愛情の証」
タイでは金製品が「永久的な愛情の証」として扱われ、プロポーズには金の指輪が欠かせない。地方では「金10バーツ以上の贈与が真剣交際の証」とされる文化もある。タイの金製品1バーツは15.244グラム(純度96.5%)で、19バーツ分は約289グラム。2026年5月時点の時価は57万バーツ(約260万円)で、タイ地方の平均月収(約2万バーツ)の30か月分に相当する。
金店主の「デザイン記憶」が決め手
タイの金店主や金製品取扱業者は、製品の品位(純度)、製造業者の刻印、デザインの特徴を職業的に記憶する習慣がある。今回は盗難から4か月というタイムラグがあったにもかかわらず、経営者の記憶が捜査の決め手となった。ルイ容疑者には窃盗罪(タイ刑法334条)の適用と、57万バーツ相当の民事的損害賠償が見込まれる。


