バンコク在住のTikTokインフルエンサー「reviewaraiwa」(プレオワさん)が5月12日、Khaosodの取材に対し、SNSで販売していたロレックス腕時計2本(時価約200万バーツ)をLINE経由で180万バーツで売却合意したが、商品を引き渡した後に買い手が連絡を絶ち、200万バーツ近くを失ったと告発した。SNSに「Rolex詐欺警告投稿」が拡散し、タイのオンライン高額売買詐欺の典型例として注目を集めている。
手口と経緯
「カンチャナブリ県在住」と名乗る男性がLINEで連絡してきて、交渉の末に200万バーツから180万バーツに値引きして合意した。男性は「送金処理中」と応答していたが、商品を引き渡してから数日後にLINEをブロックし、SNSアカウントも閉鎖して消えた。
詐欺側の手口は「地方在住を装って送金の遅延を言い訳にする」「先に商品を受け取る」という構造で、LINE取引特有の匿名性を悪用したものだ。LINEアカウントは電話番号で容易に作成・削除でき、身元確認も位置情報も確認できないまま取引が成立してしまう。
タイでロレックスは投資資産
タイの富裕層・新富裕層の間ではロレックスのSubmariner・Daytona・GMT-Masterは「タイバーツより信頼できる資産」として扱われ、リセール市場も確立している。銀行融資の担保に使われるケースもある。プレオワさんが200万バーツ超の2本を保有していたのは、タイの富裕層インフルエンサーの典型的な資産構成を反映する。
SNS高額取引の構造的リスク
タイにはオンライン取引を保護するエスクローサービスが未整備で、SNSでの高額取引は実質的に「自己責任」の世界だ。タイのサイバー犯罪局(CCIB)は2020年に設立されたが、人員は約500人で月間数千件の被害届が寄せられており、解決率は10〜20%程度とされる。プレオワさんの被害額は大型案件に分類されるため捜査対象になる可能性があるが、買い手が匿名のLINEアカウントを使っていたことで捜査は難航が見込まれる。


