タイの労働大臣チュラパン・アムロンウィワット氏が5月11日、社会保険局(สำนักงานประกันสังคม)で社会保険委員会・労災基金委員会・幹部らと意見交換を行い、4本柱の政策方針を打ち出した。信頼性と透明性の回復、プラットフォーム労働者・ギグワーカーへの対象拡大、安全衛生・予防医療基準の向上、サービス品質の総合向上が4つの柱だ。タイ国内の被保険者は2,400万人超で、エネルギー危機への対応として「社会保険料の引き下げ」も検討対象に上げる方針を示した。
注目は対象拡大の数字だ。Grab・Bolt・LineMan・Foodpandaなどのフードデリバリー・配車プラットフォームに登録するライダーは現在約30万人いるが、3〜5年以内に100万人に達する見通しとして労働省が予測している。従来は社会保険の対象外となるケースが多かったギグワーカーを、社会保険法第40条(任意加入制度)の活用か新条項の制定によって体系的に取り込む方針だ。労災発生時の医療補償・退職後の年金・育児・病気時の所得補償を新形態の労働者にも提供する制度整備を急ぐ。
保険料引き下げとCARE年金の動向
社会保険料の引き下げ検討も今回の発表で注目された。エネルギー価格高騰による実質所得の低下を受け、従業員側の保険料率引き下げと雇用主側との折半比率の見直しを検討中で、給付水準を維持しつつ財政持続性を確保するバランス調整が課題となる。CARE年金計算式(新方式)の運用については関係者協議に1か月を充てる。社会保険被保険者第39条が労働省にCARE方式を要求するなど、社会保険制度改革は政府の優先課題として連続的に動いている。タイで就労する外国人は雇用主経由で社会保険に加入することが多く、保険料率の変更は給与所得に直結するため、正式実施時期と内容を注視することが重要だ。
