タイ・チョンブリ県バンラムン郡ナークルア町で5月10日午前3時56分、女性のふりをしてSNSで男性をおびき出し、約束場所で頭部に銃撃する殺害事件が発生した。被害者のチャイ氏(34)は.38口径の弾を頭部に1発受けて即死。同行していた姪のチョーク氏は事件発生時の様子を警察に証言した。容疑者は逃走中で、警察が捜査を続けている。
バンラムン郡ナークルアで34歳男性が頭部1発被弾、即死
事件はチョンブリ県バンラムン郡ナークルア町で5月10日午前3時56分に発生した。バンラムン警察署のアピナン警部補が通報を受け、サラウット警察大佐に報告した上で、サワーンボリブーン・タンマサターン救助隊と捜査員を伴って現場に駆け付けた。現場で見つかったのはチャイ氏(34、姓は伏せる)の遺体で、頭部に1発の銃撃跡があり、近くに.38口径の薬莢が落ちていた。警察はポリスラインを張って関係者以外の立ち入りを禁止した。
姪チョーク氏の証言、女性とのデート約束場所で待ち伏せ
事件後、現場に居合わせた姪のチョーク氏が警察に証言した。それによると、叔父のチャイ氏はSNSのチャットで「ガールフレンド」とされる相手から「特定の場所で会いたい」と呼び出され、姪と一緒に配車サービスを使って指定地点に向かったという。到着したチャイ氏が車を降りた直後、待ち伏せていた銃撃者が至近距離から頭部に1発撃ち込み、即座に逃走した。SNSの「女性」は実際には犯人グループの偽装で、チャイ氏を確実に呼び寄せるための罠だった可能性が高い。
容疑者は逃走、.38口径薬莢から銃の特定急ぐ
警察は現場周辺の防犯カメラ映像、配車サービスの記録、チャイ氏の携帯通信履歴を順次精査している。.38口径は一般的なリボルバー弾で、現場に薬莢が残っていたことから自動式拳銃が使われた可能性もある。動機については、金銭トラブル、恋愛関係、組織的な依頼殺人など複数の角度から調査が進む見通しだ。
SNSデート詐欺と「おびき寄せ殺人」、タイの治安課題
SNS上で女性を装って男性をおびき出し、孤立した場所で襲撃する手口は近年タイで散発的に報じられている。今回はパタヤ近郊という観光地隣接エリアで深夜の早朝3時台という時間帯で発生しており、被害者は警戒心を持ちにくい状況だった。在タイ日本人駐在員にとっては、深夜の見知らぬ女性からのSNS誘い出しに応じない、初対面なら人通りの多い場所と昼間を選ぶ、移動には信頼できる配車サービス+GPS共有を使う、といった基本的な防御策の重要性を改めて示す事案となる。