タイの矯正局が、パトゥムターニー県のタンヤブリ刑務所から逃走した受刑者の行方を追っている。逃げたのはセクサン・ループトーン氏(37)。残り刑期は23日で、5月30日には出所予定だったにもかかわらず、塀の外での職業訓練中にコーヒーショップ裏からナンバープレートのないピックアップトラックに乗って姿を消した。
タンヤブリ刑務所で受刑者逃走、職業訓練中の出来事
矯正局によると、事件は2026年5月7日午前10時47分ごろに発生した。受刑者のセクサン・ループトーン氏(37歳10カ月)は、傷害罪で服役中だったが、刑期が短く長期収監歴もあったことから、出所準備として刑務所外での職業訓練対象に選ばれていた。タイの矯正制度では刑期残僅かの受刑者を社会復帰のため塀の外で就労体験させる仕組みがあり、刑務所運営のコーヒーショップなどで作業する例も多い。
残り刑期23日、5月30日出所予定の37歳セクサン
セクサン氏は2026年5月30日に出所予定で、逃げた時点で残り刑期はわずか23日。あと数週間我慢すれば自由の身になれる立場だった。それにもかかわらず逃走した動機について矯正局はまだ説明していないが、地元では「外で訓練に出てくると分かっていた誰かに、出所前のうちに身柄を確保したい人物がいたのではないか」「個人的な債務や因縁を抱えていた可能性がある」といった憶測も流れている。
コーヒーショップ裏から無番号ピックアップで逃走、計画性が疑われる手口
逃走の経路は鮮明だ。職業訓練のため刑務所前で作業していたセクサン氏は、刑務所運営のコーヒーショップ裏に回り込み、待機していたとみられるピックアップトラックに乗って走り去った。トラックにはナンバープレートが装着されておらず、警察は協力者の存在を視野に捜査を進めている。事前に車両を準備していた可能性が高く、矯正局は「単独の衝動的行動ではなく計画的犯行」とみる方針だ。
真相究明委員会を設置、出所間近受刑者の脱走に管理体制の課題
矯正局は事件後ただちに真相究明委員会を立ち上げ、刑務所外での職業訓練の運用体制と監視体制を点検すると発表した。出所間近の受刑者は管理が緩くなりがちで、過去にも同様の脱走事例が報告されている。在タイ日本人や旅行者にとって今回の事件は直接的な被害事案ではないものの、傷害罪で服役していた人物がパトゥムターニー周辺を徘徊している可能性があり、地元住民は警戒を続けることになる。当局は目撃情報を求めている。