在タイ・イスラエル大使館が、プーケット県のイスラエル人向けに「現地法令を厳守せよ」と異例の警告を出した。プーケット県当局が外国人を対象とした取り締まりを強化し、特に無免許運転には「ゼロトレランス」で対応する方針を示したためだ。違反者はビザ取消と国外退去処分を受ける可能性がある。
在タイ・イスラエル大使館がFacebookで警告、5月7日付ヘブライ語投稿
警告は2026年5月7日、Facebookの公式ページ Israel in Thailand に投稿された。投稿はヘブライ語のみで書かれており、対象を在プーケットのイスラエル人に絞った形だ。大使館はプーケット当局による外国人取り締まり強化を伝えたうえで、滞在中のイスラエル国民に対しタイの法律を厳守するよう呼びかけている。違反した場合は最大限の刑事罰、重大な場合はビザ取消と国外退去手続きが進められると明記された。
無免許運転にゼロトレランス、捕まれば例外なく裁判所送致
最も強調されたのが無免許運転への対応だ。プーケット県は外国人運転者の無免許運転に対して例外を認めず、すべての違反者を裁判所に送致する方針を打ち出している。タイの運転免許は外国人でも取得可能だが、観光客が国際免許なしでバイクを借りて事故を起こすケースは長年の課題で、プーケットでは近年の死亡事故・人身事故の上昇要因にもなってきた。短期滞在者が「タイなら何とかなる」とレンタルバイクに飛び乗る感覚そのものを断ち切る狙いがある。
イスラエル人の違法行為が引き金、4月のノミニー会社摘発が直近事例
プーケットでは2026年4月8日、イスラエル人がタイ人をノミニーに立てて違法に旅行業を運営していたとして摘発された。関係する2社は Gmat Hospitality と Andaman Sunday で、いずれも観光業向けのサービス会社だった。タイの外国人事業法(先のサムイ・パンガン島の摘発と同根)では、外国人が指定業種で過半株を保有することは認められておらず、ノミニー方式は違法スキームとされる。今回のプーケット強化策は、こうした違法ビジネスや乱暴な運転、宿泊先での騒音苦情などへの不満が地元住民から積み上がった結果でもある。
パイ・サムイ・パンガンでも同種問題、ビザフリー見直しを求める声
タイのイスラエル人をめぐる地域住民の苦情は、メーホンソーン県のパイ郡、スラタニー県のサムイ島・パンガン島でも報告されている。パイではユダヤ教の宗教施設運営や住民との摩擦が問題化し、当時の在タイ・イスラエル大使館も同種の警告を出した経緯がある。タイの法執行当局とイスラエル側の治安当局は、昨年プーケットで会合を持ち、複数の観光地での問題に対応してきた。今回の警告にネット世論は概ね厳格化を歓迎しており、一部はビザフリー政策の見直しまで求めている。在タイ日本人にとっても無免許運転とノミニー方式は刑事リスクが上昇している局面で、運転は国際免許の事前取得、会社運営は弁護士監修の正規スキームに切り替えるべき段階だ。