タイ南部ナコンシータンマラート県で5月8日夕方、元村長プーラチャイ氏(65)が店内で銃撃される事案が発生したが、銃弾が不発に終わり奇跡的に命拾いした。被害者はプムジャイタイ党選挙区8選出のアウォーンポンシー議員の兄。41歳の容疑者は犯行直後、自ら車を運転して警察署に出頭した。
ナコンシータンマラートで元村長を銃撃、弾不発で命拾い
事件はナコンシータンマラート県タサーラ郡タクン町第3組内の店舗で起きた。元村長のプーラチャイ・ピムセン氏(65)が店内で休んでいたところ、黒いセダンに乗った赤シャツの男が降車してきて、いきなり銃を抜き発砲した。銃口は確実に被害者を狙っていたが、引き金の瞬間に弾が不発に終わった。プーラチャイ氏は「首にかけていた仏像のお守りに守られて助かった」と直後に語り、地元では「霊験あらたか」として話題になっている。
41歳容疑者は店内で発砲後、車で警察署に出頭
容疑者は41歳のサーコン(姓は伏せる)。発砲後、走って車に戻ると、そのままタサーラ警察署に向かい、自ら出頭した。逃走を試みなかった点から、計画性のある殺意というより、何らかの感情の爆発による衝動的な犯行の可能性が指摘されている。動機は捜査中で、被害者と容疑者の過去の関わり、地元政治の構図、金銭トラブルなど複数の角度から調べが進む。
被害者はプムジャイタイ党女性議員の兄、政治的背景は捜査対象に
被害者プーラチャイ氏は、プムジャイタイ党の選挙区8選出議員アウォーンポンシー・チャオワリット氏の兄にあたる。同議員の夫はタサーラ町のアピナン町長で、地元政治の中核ファミリーだ。地元の村長経験者が連立与党議員の親族という構図のため、警察は今回の事件が単なる個人間トラブルなのか、政治的背景を持つものなのかを慎重に見極める方針だ。
タイ南部の地方政治と銃絡み事案、お守り信仰の根強さ
タイ南部では地方政治家・元村長・地元実力者を巡る銃絡みの事件が定期的に発生してきた。土地、開発利権、選挙区分け、家族間の確執などが背景に絡みやすい。一方、被害者が「仏像のお守りに守られた」と語ったように、タイ社会では銃撃から命拾いした際の「霊験」エピソードが共有され、お守り信仰がさらに強化される構図がある。今回も地元では奇跡譚として広がる気配だが、警察は事実関係の解明を急いでいる。