チョンブリー県シーラチャのレムチャバン病院周辺で4月6日夕方、体重約200kg・36歳の男性が心停止状態に陥り、救急車に入れないため救急隊員が荷台に乗せてCPRを続けながら搬送するという前代未聞の事態が発生した。
男性は自宅周辺で倒れており、通報を受けたレムチャバン病院の救急車が駆けつけた。しかし体重と体格が通常の救急車のストレッチャーおよびドア幅に収まらず、車内への搬入ができなかった。救急隊員は急きょピックアップトラックの荷台を使う判断を下し、男性を荷台に乗せた状態でCPR(胸骨圧迫・人工呼吸)を続けながら病院へと走った。
映像には救急隊員と看護師が荷台に乗り込み、動くトラックの上で必死に心肺蘇生を続ける姿が映っていた。搬送中も絶えず処置を続けた甲斐あり、男性は病院到着後に処置を受け一命を取り留めた。
日本の救急医療では、肥満対応の特殊ストレッチャーや大型救急車が一部の消防署に配備されており、同様の事態に備えている。タイでは医療器材のインフラ整備が地域によって大きく異なる。中堅病院では特殊器材を保有していないケースも多く、今回のような即興の対応が必要になることがある。
高度肥満(BMI40以上)の患者への対応は医療現場の課題だ。タイの肥満率は近年上昇傾向にあり、国民の約30〜40%が過体重・肥満とされる。食文化の変化や運動不足が背景にある。今回の事例は、タイの医療現場で高度肥満患者への対応設備の充実が求められていることを示した。