ウドンターニー県バーンドゥン郡で2026年4月4日午前1時ごろ、47歳の女性が焼き鳥店にガソリンを撒いて放火した。騒音がきっかけで夫と離婚するに至ったとして、店への恨みを爆発させた事件だ。近隣住民が初期消火に当たり全焼は免れたが、看板・カウンター・客席テーブルが焼損した。
事件の経緯
対面のガソリンスタンドの防犯カメラが深夜0時50分、白いトヨタ・ヴィオスで乗り付けた女を記録していた。女は落ち着きなく歩き回り、ひとりで笑みを浮かべるなど不審な様子を見せた。ガソリンを入手した後、道路を挟んだ焼き鳥店に侵入。テーブルとカウンターにガソリンを撒き、ロウソクで点火した。
店内の防犯カメラには「ใครว่ากูบ้า กูจะบ้าให้สมใจ(誰が私を狂人と言うのか。本当に狂ってやろう)」「กูจะทำให้พวกมึงฉิบหายวายวอดไปเลย(全部滅茶苦茶にしてやる)」と叫びながら放火する様子が映っていた。
供述した動機
逮捕後の供述で女は「店の騒音がずっと耳障りで、そのせいで外国人の夫との関係が壊れ、離婚に至った。積もり積もった怒りが爆発した」と述べた。騒音被害から夫との不和、そして離婚という連鎖の末に起きた事件だ。
一方、店の経営者は「この女性とは全く面識がない。なぜうちが標的にされたのかわからない」と困惑した。
燃料高騰のさなかの放火
2026年3月からの燃料危機でガソリン価格が41バーツ台に高騰しているにもかかわらず、わざわざガソリンを購入して放火に使ったことが地元でも話題になった。「ガソリンが高くて給油できない人がいる中で、放火に使うとは」という声もSNSで広まった。
タイの放火と精神的背景
タイでは感情的なトラブルがエスカレートして放火や刃傷沙汰に至るケースが時折報告される。騒音トラブル、隣人関係、恋愛・家庭問題が引き金になることが多い。精神的なストレスや孤立が犯行につながるパターンで、今回の女の行動もその典型と言える。
タイでは精神科・心療内科への受診に対する社会的な偏見がまだ残っており、精神的な危機状態にある人が適切なサポートを受けられないまま行動化するケースがある。