チュムポーン県ランスアン郡タマパラ(ถ้ำเขาเงิน)で2026年4月3日午前、法要行事の最中に境内の大木が倒れ、参拝者2人が死亡、16人が負傷した。2人の死亡者はいずれも女性で、1人は現場で即死、もう1人はランスアン病院へ搬送後に死亡した。
事故は境内の石灰岩崖の縁に生えていた大木が、祭事用テントの上に突然倒れたことで発生した。テントの中では多数の参拝者が涼んだり演芸を楽しんだりしていた。現場写真では、大木の幹が完全にテントを押しつぶした様子が確認される。当時、巨木の根元や幹に腐食・空洞化の兆候があったかどうかは調査中だ。
法要行事「ขึ้นถ้ำเขาเงิน」(洞窟参拝の儀式)は、ランスアン郡の重要な仏教行事の一つで、地元住民が毎年数百人規模で集まる。テントは道路沿いの崖岩近くに設置されていた。崖際の木の状態を事前確認する手順がなかったとすれば、設置場所の安全基準が問われることになる。
タイでは寺院や公園で突然の樹木倒壊事故が毎年報告されている。老木・大木の管理は地方自治体や寺院委員会の裁量に委ねられており、体系的な点検制度が存在しないことが多い。都市公園では自治体が定期的に剪定・点検を行っているが、農村部の寺院境内では長期間放置されることも珍しくない。
死亡・負傷者の遺族・家族への補償については、寺院側の損害賠償責任と任意保険の有無が焦点となる。タイ民法では土地の所有者・管理者が施設内の危険物による被害に対して責任を負うと定められているが、宗教施設への適用は実務上複雑なことが多い。タイ仏教省および地方行政は、寺院境内の安全管理ガイドラインの見直しを検討している。