アヌティン首相が3月29日、東北部ナコンパノム県ターペーノム郡のガソリンスタンドを抜き打ちで視察した。レンタカーを自ら運転し、事前通告なしで複数のスタンドを訪問。現場では給油作業を手伝う場面もあった。
ナコンパノム県には燃料スタンドが333か所あり、うち大型スタンドは72か所。ターペーノム郡には大型10か所が営業している。首相はスタンド経営者や県の担当者と意見交換し、燃料の供給状況やサービスの質を直接確認した。
首相は視察後、「状況は改善に向かっているが、国民全員で省エネに取り組む必要がある」と述べ、燃料消費の節約を呼びかけた。ソンクラーン(4月13〜15日)を控え、帰省シーズンの燃料需要増に備えた供給体制の点検も兼ねている。
タイでは中東情勢に端を発した燃料危機が続いており、首相自身が地方のスタンドを抜き打ちで回るのは異例の対応だ。燃料の買い占めや横流しが社会問題化するなか、政府トップが現場に立つことで監視の姿勢を示す狙いがある。
一方で、東北部の地方都市ではスタンドの在庫切れや長時間の行列は発生していないとの報告もあり、首都圏に比べて状況は比較的落ち着いているとみられる。
