ピサヌローク県で3月28日、23歳のタトゥーアーティスト・シリモンコンが14歳の少女を騙して秘密の動画を撮影し、Telegramの闇グループで販売・配布していた疑いで逮捕された。児童保護犯罪捜査局(ปคม.)のウィタヤー・シープラスーンサパープ少将の指示のもと、ナッタポン・カードエイアム警部らが容疑者の自宅を急襲した。
押収した携帯電話とノートパソコンからは大量の動画ファイルが発見された。Telegramの闇グループのメンバーは7,000人以上に及んでおり、その規模はタイにおける児童性的搾取コンテンツ(CSEC)の闇市場が一定の組織性を持っていることを示している。
容疑者はタトゥーの施術を名目に10代の少女との接触を重ね、時間をかけて信頼関係を構築したうえで秘密の動画を撮影したとみられる。撮影した動画はTelegramのプライベートグループに投稿され、メンバーが有料で閲覧または購入する仕組みになっていた。こうした「プロデューサー型」の児童ポルノ犯罪は、被害者と加害者が面識を持つことで長期にわたる被害が生じやすく、摘発も困難なケースが多い。
Telegramは匿名性の高さとエンドツーエンド暗号化によって、タイ国内での薬物売買・詐欺・児童ポルノなど複数の犯罪で繰り返し悪用されている。プラットフォーム側への法執行協力要請は技術的・法的に難しく、タイ当局も対応策を模索している段階だ。
今回の逮捕は児童保護犯罪捜査局が主導した組織的な捜査によるものだが、7,000人のグループのメンバー全員を追跡・摘発することは現実的に困難だ。タイでは2019年に児童の性的搾取を厳罰化する改正法が施行されたが、デジタル空間での犯罪増加に法整備が追いついていない現状がある。
タイのユニセフや国際NGOは、タイが国際的な児童性的搾取コンテンツの発信地・経由地になるリスクがあると警告しており、デジタルリテラシー教育の充実と被害を受けた子どもへの支援体制の強化が急務とされている。