タイのシニアサッカー大会で2026年3月28日、気温40度を超える炎天下で競技中だった52歳の男性選手がヒートストローク(熱中症の重症型)で倒れ、ピッチ上で心肺蘇生(CPR)が行われた。事件が起きたのはチャイナート県の小学校グラウンドで、男性選手はその後病院に搬送されたが死亡が確認された。
事件の経緯
3月28日午後2時、チャイナート県内の小学校グラウンドで行われていたシニアサッカーの試合中に、選手の一人(52歳)が突然倒れた。その場にいた観客や救護員が即座にCPRを開始した。現場の映像がSNSに投稿され、救命に全力を尽くす人々の様子が広まった。
救急車が到着して病院へ搬送されたが、男性は搬送中または到着後に死亡した。
なぜ炎天下でサッカーが行われていたか
タイでは3月から5月にかけて最も暑い季節(夏)が続く。気象庁は3月28日、北部・東北部・中部で最高気温41度に達すると警戒警報を出していた。この時期に屋外スポーツを行うことはリスクが高いが、タイのアマチュアスポーツ大会は気象条件への対応が不十分なケースが多い。
日中の最高気温帯に屋外でフルコートのサッカーを行うことは、日本の熱中症ガイドラインでも「原則禁止」に相当する危険レベルにある。52歳という年齢は心肺機能の低下が起きやすい世代でもあり、暑熱環境での激しい運動は特にリスクが高い。
ヒートストロークとは
ヒートストローク(熱中症の重症型)は、体内の熱放散が追いつかなくなり、体温が40度を超える状態だ。脳や内臓への障害が急速に進む。初期症状は頭痛・めまい・倦怠感だが、急速に意識障害が起き、心臓や腎臓の機能も低下する。
適切な治療(氷嚢による急速冷却と輸液)を30分以内に開始できれば救命率は高まるが、手遅れになると後遺症が残ったり死亡するリスクがある。
タイでの熱中症死亡の現状
タイ保健省によると、2025年の熱中症関連死亡者数は約40人で、前年より増加している。多くは農作業中の高齢者と屋外労働者で、スポーツ中の死亡はまれだが年に数件報告されている。タイのサッカー連盟は今後、日中の屋外大会に関する安全ガイドラインの強化を検討するとしている。