チョンブリー県のカオキアオ動物園(サタヒープ郡)で、コビトカバ「ムーデン」の展示エリアの前でイタリア人カップルがプロポーズする場面があった。ムーデンがフルーツケーキをほおばる瞬間に男性が指輪を取り出し、周囲の観光客から祝福の拍手が湧き起こった。
プロポーズの演出
カップルはこの日のために念入りな準備をしていた。ムーデンとお母さんの「ジョーナ」に贈るフルーツと野菜のケーキを特注し、空芯菜、カボチャ、ニンジン、トウモロコシなどムーデンの好物を美しく盛り付けた。飼育員を通じてケーキを展示エリアに置いてもらい、ムーデンが喜んで食べ始めるのを待った。
ムーデンが陽気な仕草でケーキに駆け寄った瞬間、男性が彼女の手を取り、指輪と花束を差し出した。ムーデンが夢中でケーキをほおばる姿がプロポーズの「共演者」となり、その動画はSNSで拡散した。
女性はもともとSNSでムーデンの大ファンで、「ムーデンが世界中の人に与えてくれるポジティブなエネルギーと同じように、2人の人生のスタートを幸せいっぱいにしたかった」と語った。
ムーデンとは
ムーデンは2024年にSNSで世界的バイラルになったコビトカバ(Pygmy Hippopotamus)で、学名はChoeropsis liberiensis。通常のカバより大幅に小さく、成体でも身長75cm・体重240kg程度だ。西アフリカの熱帯林を原産地とし、IUCNのレッドリストで「絶滅危惧種」に分類されている。
ムーデンの動画はTikTokとInstagramで数億回の再生を記録し、国際的なメディアでも大きく報道された。これによりカオキアオ動物園への入場者数は急増し、外国人観光客の増加が顕著になった。
動物園ツーリズムへの波及効果
ムーデン人気でカオキアオ動物園はタイ観光の新定番スポットとなった。バンコクから約90分の距離にあり、パタヤ観光とセットで訪れる旅行者も増えている。動物園側は混雑対策としてオンライン予約制を導入し、週末は特に早期の購入が必要になっている。
入場料は外国人大人が約550バーツ(2026年時点)。日本や欧米から「ムーデン目的」でカオキアオに来る観光客が現れるほどの人気で、タイの動物園ツーリズムを底上げする存在になった。
ムーデン効果で動物園全体への関心が高まったことで、他の希少動物や保護プログラムへの注目も上がっており、動物保護教育の観点でも波及効果が出ている。