タイ野党「ルームタイ・サン(国民を愛する党)」がディーゼル燃料備蓄・横流しの「黒幕」に関するデータを30人の議員で国会に持ち込み、内外への公開を予告した。2026年3月下旬の動きで、燃料危機が政治問題に発展していた状況を反映している。
「黒幕」データとは
ウィラユット・シリプラジャック(วีระยุทธ)議員は「明日、我が党は30人の議員を動員して国会で燃料備蓄横流しの実態を示す資料を公開する」と宣言した。資料には具体的な人物名・企業名・数量が含まれるとされていたが、内容の全体像は事前に明らかにされなかった。
「黒幕」という表現は、政府や警察が指摘を避けてきた「保護されている有力業者」の存在を示唆するものだ。地方の燃料業者が大規模に買い占め・転売を行うには、当局からの目をくらます「後ろ盾」が必要との見方が根強くある。
政府の反応
政府は「違反業者の取り締まりは進めている」と繰り返しながら、野党の「黒幕」指摘については正面から応答しなかった。政府側は「野党が政治的に燃料危機を利用しようとしている」との見方を示した。
燃料危機の政治化
タイの燃料危機は経済問題から急速に政治問題へと変質した。選挙期間中だったこともあり、各党が対応を競い合い、燃料高騰への対応が選挙の争点の一つになった。
野党はとくに「補助金を削減して価格を市場に任せた」首相の姿勢を「国民を見捨てた」と批判し、支持率を稼ごうとした。「黒幕」の告発はそのシンボル的な行動として位置づけられた。