タイ国鉄(SRT)が運営するレッドライン(都市鉄道)の延伸計画が進んでいる。現在バンスー・クルンテープアピワット中央駅からランシット方面に延びるレッドライン北線のサラヤ駅から、ナコンパトム県まで延伸する計画で、2033年の開業を目指している。
バンコク都市圏のレッドラインは2021年に開業した近郊鉄道で、クルンテープアピワット中央駅(旧バンスー)を起点にランシット方面(北線)とタリンチャン方面(西線)が運行されている。今回の延伸計画は北線のサラヤ駅からさらに西側のナコンパトム県まで路線を伸ばすものだ。
ナコンパトム県はバンコクから西に約60キロに位置する古都で、世界最大の仏塔「プラパトム・チェーディー」で知られる。現在はバンコクからの直接鉄道アクセスがなく、路線バスや乗用車が主な交通手段となっている。レッドライン延伸が実現すれば、ナコンパトムとバンコクの鉄道所要時間が大幅に短縮され、通勤圏の拡大と地域開発が期待される。
バンコク都市圏の鉄道ネットワークはMRT(地下鉄)、BTS(高架鉄道)、レッドライン(近郊鉄道)、エアポートリンクなど複数の路線が並行して整備されており、相互乗り入れや乗換駅の整備による利便性向上が進んでいる。ナコンパトムへの延伸は都市圏西部のベッドタウン化と経済活性化に寄与することが期待されている。
2033年という開業目標は現時点での見通しであり、用地取得や資金調達の状況によっては変動する可能性がある。タイの大型インフラプロジェクトは計画から完成までに複数年の遅延が生じるケースも多く、実際の開業時期については今後の進捗を注視する必要がある。