チョンブリー県バーンブン郡の公道で3月23日午後1時30分ごろ、ピックアップトラックが居眠り運転で対向車線に逸脱し、10輪の大型コンクリート管輸送トラックと正面衝突した。ピックアップには夫婦2人が乗っており、助手席の妻が死亡、運転していた夫は重傷を負った。10輪トラックの運転手は「ぎりぎりハンドルを切って避けようとしたが間に合わなかった」と証言した。
バーンブン警察署のナパワン副警部が現場に急行した。ピックアップは対向車線に乗り出した状態で大型トラックと衝突しており、フロント部分が大きく潰れていた。妻は病院搬送の途中で死亡した。夫は意識はあったものの重傷で、集中治療室に収容された。
タイでは居眠り運転による逆走事故が日常的に起きている。タイ道路網の多くは中央分離帯がなく、センターラインだけで対向車線が分かれている。疲労や飲酒で対向車線に逸脱しても物理的な障害物がないため、正面衝突が発生しやすい構造だ。今回の事故現場も中央分離帯のない2車線道路だった。
ピックアップトラックはタイ農村部の「国民車」として非常に普及している。農産物の運搬や家族の移動に使われるが、乗用車に比べて安全装備(サイドエアバッグ、レーンキープアシストなど)が省かれているモデルも多い。農村道路での事故が多い要因の一つとなっている。
タイのWHO統計による交通事故死亡率は人口10万人あたり32.2人で、日本(約2.7人)の約12倍にのぼる。国家道路安全センターのデータでは、睡眠不足・居眠り運転が交通死亡事故の主要因の一つであり、特に午後1〜3時と深夜帯に集中している。