経済安全保障情勢センター(ศบก.)は2026年3月23日の会議で、中東情勢を踏まえた石油備蓄の配分追跡を行うとともに、会議の内容は情報セキュリティ上の理由から対外非公開とするよう求めた。ピパット・ラーチャキットプラカーン副首相が議長を務めた。
会議の開催と出席者
3月23日午後1時15分、政府庁舎でศบก.の定例会議が開かれた。ピパット副首相(兼運輸大臣)が議長を務め、エカニット・ニティタンダプラパース副首相兼財務大臣、アットポン・ルークピブン・エネルギー大臣、ルットポン・ナウラット司法大臣、各石油会社代表(PTT、PTTOR、PTG、Susco、Shell、バンチャック)が出席した。
情報守秘の要請
会議後、副首相は「会議の内容は外部への漏洩を避けるよう求めた」と述べた。理由は「情報が歪曲されて拡散する危険性がある」ためだという。
燃料危機の真っ只中で、政府の備蓄計画や配分先の情報が外部に漏れれば、特定の地域・スタンドへの殺到や買い占めにつながる恐れがある。政府としては情報管理が価格安定・パニック防止の観点から重要だという判断だ。
一方、野党や一部のメディアは「情報の隠蔽だ」と批判した。石油備蓄の配分先や優先順位が国民に分からないのは不透明だという指摘だ。
備蓄配分の追跡
会議の主な議題は、非常用石油備蓄の地域別・種類別の配分状況の確認と、今後の需要に応じた計画的配送だ。タイには原油・製品油の国家備蓄制度があり、精製業者・輸入業者に一定量の備蓄が義務付けられている。
備蓄が充分にあるとされながらも現場では品不足が続く状況に対し、センターは配送ルートと量の可視化を進めた。物流上のボトルネックを特定し、南部・北部・東北部など品不足が深刻な地域への優先配送を調整する役割を担った。
燃料危機の政治問題化
この時期、タイの燃料危機は政治問題に発展していた。元財務相コーン議員のような野党議員が「なぜ倉庫から出てこないのか」と批判し、市民も長蛇の列に並びながら怒りを高めていた。
情報守秘の要請は、政府の透明性という観点から批判を浴びやすい対応だった。しかし危機時の情報管理と市民への情報提供のバランスは難しい問題で、政府は「不確かな情報がパニックを引き起こす」という立場から慎重な情報発信を選んだ。