タンクローリーが2026年3月25日、ナコンラチャシマ県の急坂で横転した。運転手は軽傷で「道が急勾配だった、この道に慣れていなかった」と認め、さらに「燃料配送の過密スケジュールで十分に休めていなかった」とも語った。
事故の概要
3月25日、タンクローリーがナコンラチャシマ県内の101号線、n.100区間で急坂にさしかかったところで横転した。運転手は46歳で、軽傷を負った。
タンクローリーにはディーゼル4万リットルが積まれており、ラオスのサイヤブリー県フワイコン市(タイのナン県との国境町)への配送途中だった。
「慣れない道」と「休息不足」
運転手は警察への調査に対し、「この道は急傾斜がきつく、初めて走ったので感覚をつかめなかった」と話した。また「燃料危機でタンクローリーの配送スケジュールが非常にタイトになっており、十分な休息が取れていなかった」とも証言した。
タイの燃料危機では、全国各地への緊急輸送需要が急増した。タンクローリーは通常より多い頻度で走り、運転手は休憩時間が削られていた。長時間運転による疲労蓄積は居眠り・判断力低下につながり、事故リスクを高める。
ラオス向けの燃料輸送
タイはラオスに対してディーゼルなどの石油製品を輸出している。タイ国内の燃料危機が深刻化した際も、ラオスへの輸出が続いていたことは政治的に議論になった面もある。ラオス国境の山岳地帯では急勾配が続く道が多く、大型タンクローリーの走行には高い技術と経験が必要だ。
タイのトラック運転手事情
タイではトラック運転手不足が慢性的な課題だ。物流産業の需要増に対して免許保有者の確保が追いついておらず、一人当たりの労働時間が長くなりやすい。燃料危機のような緊急時には需要がさらに増え、運転手の過重労働が深刻化する。
タイの道路交通法では連続運転4時間ごとに30分以上の休息が義務付けられているが、実態としては守られないケースも多い。今回の事故は、燃料危機が運転手の労働環境にも負の影響を与えていたことを示した。