プームジャイタイ党党首アヌティン・チャーンウィラクン氏が2026年3月19日、タイ第32代首相に選出された。499名の国会議員による投票で293票を獲得し、対立候補のプラチャーチョン党(国民党)ナッタポン・ルアンパンヤウット党首の119票を大きく上回った。棄権票は89票。
前首相パートンターン・シナワット氏は2025年12月に解任・失職し、その後の政治空白を経て新首相選出投票が行われた。アヌティン氏はプームジャイタイ党のほか、タイ統一国家党・タイブラム党などの与党連合の支持を取り付けて過半数を確保した。
アヌティン氏は内務大臣兼副首相として2019年以降タイ政界の重要ポストを務めてきた人物で、医薬・医療機器ビジネスの実業家としてのバックグラウンドも持つ。コロナ禍でのワクチン調達・医療政策では内務省として一定の評価を受けた一方、大麻合法化政策の混乱(後に一部規制強化)では批判も受けた。
タイの首相選出は下院(衆議院)の過半数投票で決まる仕組みで、上院の関与は2023年憲法改正で廃止された。2026年3月の政治情勢では与党連合がかろうじて過半数を維持しており、アヌティン政権の安定には閣内の結束と野党との対話が鍵を握る。
日本とタイは経済・安全保障で密接な関係を持ち、日本外務省はタイの政権交代を迅速にフォローしている。アヌティン新政権の対外政策・日系企業へのスタンス・経済政策が今後の注目点だ。