タイ中部サムットプラカーン県バンボー郡クロンダーン町のパンウィティ通りで5月16日、バイクで走行していたミャンマー人夫婦が路面の砂で滑って転倒、後続のトラックトレーラーに轢かれて2人とも死亡した。妻が夫を抱きしめた状態で発見されたと地元警察が公表している。夫はシン・ウィン氏(47歳)、妻はピュー・ピュー・ウィン氏(55歳)で、ホンダ・ウェイブ(バンコクナンバー)に乗っていた。事故現場の道路には大量の砂が散乱しており、これが直接の引き金とみられる。タイのバイク事故では砂・水・油などによるスリップが多発しており、雨期入りした今、在タイ日本人ライダーも他人事ではない。
5/16事故の発生
事故は5月16日、サムットプラカーン県バンボー郡クロンダーン町のパンウィティ通り、バンタンクン学校近くで発生した。クロンダーン警察署(สภ.คลองด่าน)のポンチャイ・クンクントー捜査官(พ.ต.ท. = Pol.Lt.Col.)が現場に駆けつけ、ラマティボディ・チャクリーナルバディン医学研究所の法医チームとポーテックトゥン財団バンボー支部の救助隊が遺体収容にあたった。
事故車両はホンダ・ウェイブ(バンコクナンバープレート)。夫婦が2人乗りで走行中、路面に散乱していた砂で車輪が滑り、バランスを崩して転倒した。直後、後続のトラックトレーラーが2人を轢く形になった。
妻が夫を抱きしめた状態で発見
遺体の状況は痛ましいものだった。妻ピュー・ピュー・ウィン氏は両手を伸ばし、夫シン・ウィン氏の体を抱きしめた状態で死亡していた。最期の瞬間、妻が夫を抱きしめようとしたとみられる。
2人ともヘルメットを着用していたが、トラックトレーラーに頭部を圧迫されてヘルメットごと損傷していた。バイクは現場で横転した状態で見つかった。
原因は路面の砂、防犯カメラに事故の瞬間
事故現場の道路にはバイクのスリップ痕がはっきりと残されていた。捜査チームが周辺を確認したところ、車道に大量の砂が散乱していたという。砂の発生源(工事現場・トラック荷台からの落下など)は捜査中だ。
事故の瞬間は付近の防犯カメラに収められており、警察はトラックドライバーの追跡と取り調べを進めている。事故処理は写真撮影と現場地図作成を完了させた上で進行中。
タイのバイクスリップ事故と路面の砂
タイは世界的に見ても交通事故死亡率の高い国で、その多くがバイク事故に集中している。スリップ事故の原因として頻繁に挙げられるのが(a)雨後のオイル・水たまり、(b)工事現場や農作業由来の砂・土の散乱、(c)野菜・果物の屑、(d)路面の小石・砂利だ。タイの幹線道路は補修が頻繁で、補修材の砂利が車線にこぼれている場面も少なくない。
特に雨期に入った5月以降は、湿った砂利・砂が滑りやすく、バイクの後輪・前輪どちらでもスリップが起きやすい。今回の事故もちょうど雨期入り直後の発生だった。
関連背景
バンコク・パタヤ・チェンマイなどで日本人駐在員・観光客がバイクを利用する機会は多い。スリップ事故を避けるためのチェックポイントは次のとおり。
第1に、路面の色が部分的に違う箇所(白っぽい、濃い色など)は砂・水・オイルの可能性が高いので、急ハンドル・急ブレーキを避ける。第2に、雨期は工事現場・農地・建設現場の出入り口付近で路面が汚れていることが多いので減速。第3に、夫婦・恋人で2人乗りの場合、転倒時の衝撃が後部座席に増幅するので、ヘルメット着用とスピード抑制が必須。第4に、後続車両(特にトラック・ピックアップ)との車間距離を意識し、転倒した場合に轢かれない位置取りを心がける。
サムットプラカーン県は工場地帯で、ミャンマー人を含む外国人労働者が多く居住する地域。今回の被害者夫婦もミャンマー人で、長距離通勤の途中だった可能性が高い。地方都市・郊外でのバイク通勤・通学は便利だが、命を守るのは「速度」と「路面観察」の習慣だ。