タイ西部カンチャナブリ県ムアン郡ターマカム町で2026年5月7日、56歳のソンサック氏が刑務所で薬物事件で服役中の妻を見舞いに行こうとする途中、警察の検問で逮捕された。本人の運転するトヨタのグレーセダン車内から琥珀色の小ガラス瓶に隠されたヤーバー(メタンフェタミン錠剤)28錠が発見され、自身も自宅出発前に2錠服用していたと自白した。タイの地方都市での薬物関連事件の連鎖を象徴する事案として、地元で議論を呼んでいる。
5/7検問で挙動不審なトヨタを停車
事案発生の現場は、カンチャナブリ県ムアン郡ターマカム町のサンクート通り、メーナム川キャンパス(職業教育機関)前。ムアンカンチャナブリ警察分署の警察官が、犯罪予防の目的で検問を設置していた最中、ソンサック氏が運転するトヨタのグレーセダンが進入。
担当警察官は運転手の挙動不審を察知し、車両の停車と本人・車両の捜索を求めた。ソンサック氏は明らかに動揺した様子で、警察官の指示に応じて車両を停めた。捜索開始から短時間で重大な発見につながった。
琥珀色ガラス瓶にヤーバー28錠、自宅で2錠服用
警察官の捜索の結果、車内から琥珀色のガラス製の丸い小瓶が1個発見された。瓶の中に隠されていたのは、第1類違法薬物のヤーバー(メタンフェタミン錠剤)28錠。タイの末端流通価格で1錠50〜100バーツ程度のため、押収量は約1,400〜2,800バーツ規模。
ソンサック氏は警察の取り調べに対し、所持していたヤーバーは自分のものであり、1錠50バーツで購入したと自白。さらに、自宅を出発する前に2錠を服用していたことも認めた。検問の挙動不審はメタンフェタミンの効果による可能性が高く、運転中も薬物の影響下にあった疑いが濃厚。
妻はカンチャナブリ刑務所で薬物事件服役中
事案で注目されるのは、ソンサック氏の犯行動機。本人によれば、運転していた目的地はカンチャナブリ刑務所で、刑務所内で薬物事件で服役中の妻を見舞いに行く途中だったという。
タイの薬物事件では、家族・夫婦の双方が関与する事例が散発する。今回のように妻が薬物事件で服役中、夫もヤーバーを所持・使用しながら見舞いに向かう構図は、家庭全体が薬物経済に巻き込まれる典型例といえる。妻の服役期間中、夫が経済的・心理的に不安定になり、薬物に依存していった可能性も推察される。
タイの薬物関連事件と検問運用
タイ警察は地方の主要道路で「犯罪予防」を名目とした検問を頻繁に設置している。検問は薬物・密輸・不法武器・無許可運転の摘発で確実な成果を上げており、ヤーバーの末端流通段階での押収数の大半がこうした検問経由で確保されている。
在タイ日本人駐在員と旅行者にとって、地方道路の検問は日常的な光景の一つ。免許証・車両登録証・パスポートの提示を求められる場面では落ち着いて対応すれば問題ないが、車内に薬物関連物品が一切ないことが大前提。同乗者やレンタル車両の前ユーザーが残した物品で巻き添えにならないよう、車両利用前のチェックを習慣化することが安全運用につながる。