バンコク都(BMA)のチャッチャート・シティパン知事は2026年5月7日、プラウェート区オンヌットゴミ処理センターの臭気・煙害対策を発表した。4つの処理工場(計3,400トン/日)で工場の100%密閉化、化学的脱臭システム(167,000m3/時の吸引能力)、E-NOSE臭気検出装置5箇所の設置など、住民の生活環境改善のための徹底的な改修を実施している。プラウェート区を中心に長年悩まされてきた臭気問題への抜本対策として注目される。
5/7チャッチャート知事が施設4工場の改善を発表
オンヌットゴミ処理センター(プラウェート区)は、バンコク市内の主要なゴミ処理拠点で、4つの処理工場が集約された大型施設。各工場の処理能力は以下の通り。
- 廃棄物発電プロジェクト(800トン/日以上、機械生物処理MBT技術で電力+RDF燃料生産)
- 有機肥料化工場(600トン/日)
- 有機肥料化工場(1,000トン/日)
- 埋立地搬送ステーション(1,000トン/日)
合計で1日あたり3,400トン以上のゴミを処理する能力を持つが、長年にわたり周辺住民から臭気・煙害の苦情が寄せられてきた。チャッチャート知事の指示で、受託業者に対する改善要求が一斉に強化された。
800tの発電工場、100%密閉化+High Speed Shutter Door
最も注目される改修は、800トン/日のMBT廃棄物発電プロジェクト。同施設は機械生物処理(Mechanical-Biological Treatment)技術で電力と燃料(RDF)を同時生産する先進設備。
改修内容は具体的かつ大規模だ。工場全体を100%密閉化し、ゴミ受入棟・RDF搬送棟の隙間を完全に封鎖。出入口にはHigh Speed Shutter Door(高速シャッタードア)を設置し、エアカーテンとAir Lock(エアロック)構造を組み合わせて、開閉時に内部の臭気が外部に漏れない設計とした。
化学的脱臭167,000m3/時+E-NOSE 5箇所
脱臭システムも大規模化された。工場内には化学的脱臭装置を設置し、合計の吸引能力は167,000立方メートル/時。臭気が強い箇所(発酵装置、圧縮機、砂利分離機)を集中的に処理する設計。
E-NOSE(電子鼻、臭気検出装置)を5箇所に設置し、工場内と周辺コミュニティの双方で実時間モニタリングを実施。万が一臭気が一定基準を超えた場合、即座にアラートが発動し対応できる体制を構築した。これは従来の人手による苦情対応から、機械検出による予防的対応への転換を意味する。
周辺住民の生活と在タイ日本人への影響
オンヌットエリアは在タイ日本人駐在員の住居エリアの一つで、コンドミニアムや一戸建てが密集する。スクムビット沿線からBTSオンヌット駅を経由して、プラウェート区方面に住居を構える日本人家族にとって、近隣のゴミ処理場の臭気は生活の質に直接影響する要素だった。
今回の改善が機能すれば、家屋・コンドミニアムでの窓開け生活、屋外プール・テラス利用、子ども達の屋外遊びなどで、長年の不快要素が大幅に軽減される。E-NOSEのリアルタイム監視データが公表されれば、住民が独自に臭気状況を確認できる透明性の高い運営体制になることも期待される。