タイ東北部ナコンラチャシマ県ブアライ郡で5月6日、伝統行事「バンファイ祭」で打ち上げられたロケットが民家の屋根を突き抜けて落下し、34歳のチャナパさんが脚を骨折する事故が起きた。姑にあたる女性が祭の主催側に補償を求めていると、英字メディアのThe Thaigerが報じている。
バンファイ祭はタイ東北部やラオスで雨季前のこの時期に行われる、雨乞いと豊作祈願の伝統行事だ。大きな自家製ロケットを空に向けて打ち上げる祭りで、毎年5〜6月にイサーン各地で大きな祭が立つ。地域の人にとっては年に一度の見せ場だが、住宅地に近い場所で打ち上げる以上、外れたロケットがどこに落ちるかは正直、誰にも分からない。
報じられた話では、ロケットは家族で共有して暮らしている家の屋根を貫いて室内に落ちてきたという。家にいたチャナパさんが脚を骨折したというから、相応の威力でめり込んだのだろう。室内に座っていてある日突然、空からロケットが屋根を破って落ちてくる、と想像するとなかなかぞっとする話だ。
請求の額は35万バーツ。日本円にしておよそ160万円相当で、タイの地方の感覚からするとかなりまとまった金額だ。それでも医療費、屋根の修理、家財の損害、そして本人と家族の精神的なものを足していくと、決して過剰な数字には見えない。ただし、この種の伝統行事は主催が地域の有志団体だったり、複数のグループの寄り合いだったりすることが多く、責任の所在がはっきりしないまま終わる事例も少なくないらしい。
毎年5月になるとバンファイ祭の打ち上げ動画がSNSに流れてくる。豪快で確かに見応えがあるのだけれど、こうして「屋根を破られた家」の側からの話を読むと、行事の輝かしい側だけ見ているわけにはいかないなと改めて思った。