右腕に障害のある18歳の少女がネット上のストーカーに数か月にわたって追い詰められ、大学を退学せざるを得なくなった事件がタイのSNSで大きな怒りを呼んでいる。
少女の父親パナー・スッティヌムは、タイで有名なボディビルダーだ。障害のある娘と二人でフィットネスに取り組む姿をSNSで発信し、「ハンディキャップがあっても前向きに生きる」姿勢が多くのフォロワーに支持されていた。
ところがある男が少女に対して執拗なメッセージを送り始めた。嫌がらせは数か月に及び、内容はエスカレート。少女は精神的に追い詰められ、大学に通えなくなり、最終的に退学を余儀なくされた。
父親が警察に被害届を出し、男は呼び出しを受けた。だが男は警察の前で反省の態度を一切見せず、「謝らない」と挑発的な姿勢を取った。この態度がSNSで拡散され、さらなる非難が殺到している。
タイではコンピュータ犯罪法がサイバーストーキングに適用可能だが、「脅迫」「名誉毀損」など具体的な構成要件を満たす必要があり、立証のハードルが高い。被害者が泣き寝入りするケースが少なくないのが実情だ。
今回は父親が社会的な影響力を持つボディビルダーだったことで問題が可視化されたが、同様の被害に声を上げられない人は多い。事件をきっかけに、サイバーストーキングの法整備を求める声が高まっている。