アヌティン・チャーンウィラクン首相は2026年4月、76府県の知事とバンコク都知事を緊急招集し、燃料買い占めを行った者への「厳罰」を命じた。ソンクラーン7日間の安全管理と、燃料危機下での秩序維持が主要な議題だった。
緊急会議の内容
首相は全知事に対し「燃料の買い占めや不正流通で国民の苦しみの上に利益を得ようとする者は、法律の定める最も厳しい処罰を与えよ」と指示した。地方ごとに状況が異なるため、各知事に状況の監視と不正の摘発を強化するよう求めた。
この時期、タイでは全国で燃料が不足しており、一部の業者や個人が大量購入・買い占め・闇市場への転売を行っていた。コンテナや農業用タンクに灯油・ディーゼルを大量に買いだめして高値で売る行為が問題になっていた。
燃料危機下での政策
この会議はアヌティン政権発足から日が浅い時期に開かれており、首相として国民へのシグナル送信という意味もあった。前政権での対応の遅れへの批判を受けて、新政権は「即断即決で問題に当たる」姿勢を見せた。
ソンクラーン期間中は帰省・旅行の移動が増えるため、給油需要が一時的に急増する。知事会議では地域ごとの燃料配給の調整、スタンドの秩序管理、緊急車両・農業機械への優先供給維持が話し合われた。
タイの地方行政と中央の関係
タイの76府県は中央政府が任命する知事が統括し、中央の方針を地方に実施する役割を担う。首相から知事への直接指示は、危機時の即応体制として機能する。地域ごとの実態把握と権限委譲が緊急時には重要だ。
一方、地方自治体(市・町・村)はそれぞれ独自の判断でも動けるが、予算・権限の制約から中央の支援が必要な局面も多い。燃料危機のような全国規模の問題では、中央と地方の連携が不可欠だ。
住民への影響
燃料危機は農家の農業コスト増加、漁師の出漁困難、物流コスト上昇による食料品値上がりと、タイ社会の広い層に影響を与えていた。知事会議での方針が各地域での迅速な対応につながることが期待された。