タイ東北部ウボンラチャタニ県のスラッパシットプラソン病院(สรรพสิทธิประสงค์)が5月18日(月)、四つ子妊娠の母親に帝王切開を実施し、母子5人全員の生命と安全を守ることに成功した。タイ厚生省第10保健地域(イサーン南部)で初の事例。同病院の医師団・看護師・助産師が総力を挙げた手術で、母親と四つ子(全員)が「100%安全」に出産を終えた。タイの公立病院で多胎児帝王切開を成功させる稀少事例として、東北部医療界の象徴的快挙。在タイ日本人駐在員家庭にとっても、タイの公立医療水準の高さを示す事例として注目される。
四つ子出産—自然妊娠で約70万分の1の稀少さ
四つ子の妊娠と出産は、医学的にも極めて稀。
第1に、自然妊娠での四つ子確率: 約70万分の1(約0.00014%)。
第2に、IVF(体外受精)など不妊治療では、複数胚移植により多胎妊娠の確率が上昇するが、それでも四つ子は稀。
第3に、多胎妊娠は、(a)早産リスク(通常28-32週で出産)、(b)低出生体重児リスク、(c)母体の合併症リスク(妊娠高血圧症候群・糖尿病・貧血)、(d)新生児の医療管理(NICU・人工呼吸器)、など多くの困難を伴う。
第4に、四つ子の生存率は、出生時の体重・週数・医療体制次第。タイの主要公立病院では概ね80-90%程度。
スラッパシットプラソン病院の医療体制
ウボンラチャタニ県のスラッパシットプラソン病院は、(a)タイ厚生省第10保健地域の中核公立病院、(b)1,300床規模、(c)産科・新生児科・小児科を擁する総合医療施設、(d)イサーン南部(ウボンラチャタニ・スリン・シーサケート・ヤソトーン・アムナットチャルーン)の中心医療機関。
四つ子帝王切開を成功させた医療チーム:
- 産科医師(複数名)
- 麻酔科医師
- 新生児科医師
- 小児科医師
- 助産師・看護師チーム
- NICU(新生児集中治療室)スタッフ
これらの専門職が連携し、母親の安全と4人の新生児の蘇生・管理を同時並行で実施した。
タイ公立医療の水準と多胎児出産
タイの公立病院での多胎児帝王切開成功は、(a)医療技術の水準、(b)医療スタッフの専門性、(c)NICU等の設備充実、を示す。
タイ国内での多胎児出産事例:
第1に、双子(ふたご): 比較的多数、年間数千件規模。
第2に、三つ子: 少ない、年間数十件規模。
第3に、四つ子: 極めて稀、年間数件程度。
第4に、五つ子以上: タイで歴史的に数えるほど。
四つ子帝王切開は、(i)バンコクのシリラート病院・ラマティボディ病院・チュラロンコン病院、(ii)地方では主要県の中核病院、で実施実績がある。今回のウボン事例は、(a)地方公立病院の医療水準、(b)イサーン南部地域の医療整備、を示す象徴的事例。
関連背景
タイ駐在の日本人家庭にとって、今回の事例は次の意味を持つ。





