タイ南部の観光地プーケットで、地元マフィアと目されるグループの一員がSNS上に国会議員を脅迫する内容を投稿し、波紋を広げている。投稿者はプーケットの「フリーダムビーチ(หาดฟรีดอม)」を占拠していると地元住民が苦情を寄せている人物の1人で、民衆党(PCN)所属のチャレームポン・センディー下院議員(プーケット2区)を名指しで標的にする内容だった。
問題のSNS投稿には脅迫者の略号として「L.Ling(ล.ลิง)」とだけ署名され、本人特定は完全には進んでいない。投稿の主旨は「国会議員を撃っても保釈金は20万バーツで済む」というもので、ส.ส.に対して直接的な物理的危害をちらつかせた格好となっている。20万バーツという数字は、最近のタイ国内で発生した別の議員狙撃事件で容疑者が保釈された金額に符合しており、それを引き合いに「議員を撃っても安く済む」という挑発的なメッセージを意図的に発したと受け取られている。
問題の発端は、地元プーケット住民が「フリーダムビーチ」が影響力のあるグループに占拠され、付近のナーケート山系の国家森林保護区にも違法に侵入されているとの苦情が出ていたことにある。住民への脅迫行為や観光地としてのイメージ低下を引き起こし、地域住民の居住・生計・観光産業のすべてに悪影響を及ぼしているとの指摘が続いていた。
事態を重く見たプーケット県知事は、3月24日付で関連機関に対して現地調査と取り締まりを命じる指示を出していた。地元行政としては森林侵入問題に対する正面からの対応に踏み込んだ段階だったが、約1か月半経過した今、影響力者側からの公然たる脅迫がSNS上に出るという形で問題が激化している。
民衆党のチャレームポン議員はSNSの脅迫投稿に対して「闇の影響力には屈しない」と表明し、政府に対して事態が深刻化する前の早急な対応を要請した。プーケットは外国人観光客が多く訪れる主要観光地であり、地元のマフィア・影響力者問題が公然と政治家を脅迫する段階まで達したことは、観光業全体のイメージにも直結する。住民は当局がこの問題を本気で解決する意志があるかを注視している。