タイの反マネーロンダリング機構(ปปง.、AMLO)は2026年3月27日時点で、タンマチャヨー元住職(プラタンマチャヨー・元ワット・プラタンマカーイ住職)に関連する資産の没収を完了し、総額約14億バーツに上ることを発表した。裁判所は没収命令を発出しており、資金の一部はサハコーン・クレジット・ユニオン(สหกรณ์เครดิตยูเนี่ยนคลองจั่น)の被害者補償に充てられている。ただし、不動産の一部(地方の仏教瞑想センター・ワット・プラタンマカーイ内のグローブ型ビル)はまだ競売プロセスが続いている。
タンマチャヨー元住職(本名:チャイブン・シッティポン)は、タイ最大の新興仏教宗派の一つ、ワット・プラタンマカーイの元最高指導者だ。彼をめぐっては、サハコーン・クレジット・ユニオン詐欺事件で奪われた被害者の資金(クレジット・ユニオン・クロンチャン、被害総額数十億バーツ)を受け取り・隠匿したとして長年捜査が続いていた。
DSI(特別捜査局)は刑事時効(15年)が来た時点で刑事案件を終結させたが、民事上のAMLO(ปปง.)による資産回収手続きは別途継続してきた。今回の「14億バーツ没収完了」はその民事手続きの成果だ。
ワット・プラタンマカーイ内のグローブ型ビルは一般的に「ドーム」や「球体建築」として知られるタイ仏教界のランドマーク的建造物だ。タイでも最大規模の寺院建設プロジェクトの一部として建てられたこの施設の競売は、宗教施設・教団財産の資産処理という法的・文化的に複雑な問題を孕んでいる。
タイでは宗教団体・寺院の財産管理に関する法制度が十分でなく、大規模な不正が長期間発覚しにくい構造がある。今回のケースは「財産回収に数十年かかる」というタイの法的手続きの現実を示しており、法整備の改善を求める声が専門家から上がっている。
